研修設計 / 人材育成ご担当の方へ
研修は「聞く時間」より「やってみる時間」を長くする。AIが来て、知っていることの価値が下がったから
研修の冒頭で、私は毎回こう言います。「AIが来たことで、知っている・知らないの価値は、だいぶ減りました。大事なのは、どう使うかです」。これは受講者向けの言葉ですが、研修を設計する側にとっても、同じことが言えます。今日は、私が研修の時間配分をどう考えているかを書きます。
「知識を渡す研修」の分が悪くなった
ロジカルシンキングの型、問題解決の手順、プレゼンの構成。こうした知識は、いまAIに聞けば数秒で出てきます。しかも、たいてい私の説明より網羅的です。
ですから、講師が前に立って知識を1時間話す研修は、分が悪い。受講者は「それ、調べれば分かる」と思いながら聞くことになります。正直に言うと、私自身が受講者なら、そう思います。
私の配分
私の研修は、説明が短く、演習と練習が長い。だいたい、聞く時間が3割、やってみる時間が7割です。一人で考える、隣の人と話す、全体で確かめる。この繰り返しです。
理由は単純で、考え方は、聞いただけでは身につかないからです。自転車の乗り方を、講義で教わった人はいません。やってみて、転んで、もう一回やって、身につく。ビジネススキルも同じです。
もう一つ理由があります。やってみると、受講者一人ひとりの「できている所」と「詰まる所」が、その場で見えます。見えれば、私はそこに向かって答えられます。聞くだけの研修では、これができません。
「やりっぱなし」にしないために
やってみる時間を長くすると、当然、答え合わせが要ります。私は、どの演習にも講師の答えの例を用意します。受講者は、自分の答えと比べて、何が違うかを自分で見つけます。ここを省くと、「やった気になった」で終わります。
そして最後に、明日の仕事でどこに使うかを、一人ひとりに決めてもらいます。「いい話だった」で帰さない。これは私が自分に課している決まりです。
人材育成ご担当の方へ
「演習が多いと、教える量が減るのでは」と心配されることがあります。減ります。その代わり、持って帰れる量が増えます。研修の価値は、当日に受講者が何を聞いたかではなく、翌週に受講者が何をやったかで決まる。私はそう考えています。
もし、いまの研修が「聞く時間」に偏っていると感じたら、まず一つの演習を「やってみる」に置き換えてみてください。受講者の顔が変わるのが、その日のうちに分かります。
研修をご検討の方へ
できること・できないことは、最初の打ち合わせでお伝えします。その中で最善を一緒に作ります。

