プレゼンテーション / 研修の現場
「断片的には全部知っていた。でも、まるごと体系的に学んだことはなかった」プレゼン研修で受講者が言った一言
メーカー系の販売会社で、営業の方向けにプレゼンテーション研修を担当したときの話です。研修が終わったあと、ある受講者の方が事務局にこう言ったと聞きました。「研修の中身は、全部、断片的には学んだことがある。でも、一個まるっと、その全てを体系的に学ぶということがなかった。それがとても良い気づきだった」。
今日は、この一言をめぐって、私がビジネススキル研修をどう考えているかを書きます。
「知っている」人ほど、学べない
プレゼンの研修に来る営業の方は、プレゼンを知らない人ではありません。毎週お客様の前で話している。本も読んでいる。上司からも指導を受けている。正直に言うと、「今さらプレゼン研修か」と思って来る方もいます。
そういう方に、「結論から話しましょう」「相手の立場で考えましょう」と一つひとつ言っても、「知ってます」で終わります。知っているからです。
断片と、体系の違い
でも、知っていることが、使えることとは限りません。結論から話す、相手を分析する、構成を組む、資料を作る、声と間を使う。この一つひとつは知っていても、それがどういう順番で、どうつながっているかは、意外と誰も教わっていない。
研修の価値は、新しい知識を足すことではなく、ばらばらに持っている断片を、一本の筋でつなぎ直すことにあります。つながった瞬間、「あ、だから自分のプレゼンはここで崩れていたのか」が見える。先ほどの受講者の方の「良い気づき」は、これでした。
場を作ってくれた人
この回には、最初から前のめりの方が一人いました。うなずく、顔を見る、質問する。私は正直に言うと、その方を中心に場を進めました。一人が本気で参加していると、まわりの空気が変わります。研修は講師が作るものだと思われがちですが、半分は受講者が作ります。
「体系的に学んだことがなかった」と言ってくださったのも、その方でした。知っていることの多い人ほど、つながった時の気づきが大きい。これは、どの会社でも見る光景です。
人材育成ご担当の方へ
「うちの営業はもうプレゼンはできるので、研修は不要かもしれません」と言われることがあります。できる人にこそ、体系をつなぎ直す時間は効きます。ただし、入り方を間違えると「知ってます」で終わる。だから私は、最初の30分で、受講者が自分で「どこが断片のままか」に気づく演習から入ります。
御社の営業の方が、いま何を知っていて、何がつながっていないか。最初の打ち合わせで、そこからうかがいます。
研修をご検討の方へ
できること・できないことは、最初の打ち合わせでお伝えします。その中で最善を一緒に作ります。

