ONE DAY JAPAN 株式会社ワンデイジャパン

管理職研修 / 研修設計 / 人材育成ご担当の方へ

管理職研修で、受講者より先に「上司」に6問きいた話。研修の効果は、研修の外で決まる

今年、建設会社で管理職候補の方向けに5日間の研修を担当しました。設計から入らせていただいた案件です。この研修で、私が一番こだわったのは研修の中身ではなく、研修が始まる前に受講者の上司に送った、6問のアンケートでした。

なぜ上司に先に聞いたか

研修で学んだことが職場で使われるかどうかは、研修の中身よりも、職場の環境、とくに上司が支えるかどうかで決まる。これは私の感覚ではなく、89本の研究をまとめた2010年の論文が示していることです。

つまり、どれだけいい5日間を作っても、受講者が職場に戻ったときに上司が何も知らなければ、効果は薄れます。だから、上司に先に入ってもらう必要がありました。ただし、上司は忙しい。「研修に協力してください」では動きません。

6問、5〜10分、記名不要

作ったのは、6問だけのアンケートです。所要5〜10分、記名は不要。肝は2問目でした。

研修の初日に、受講者本人は、管理職の4つの役割について自分を採点します。実務のエースとして、業務改善、人材育成、チームづくり。上司にも、まったく同じ4つの軸で、その部下を見てもらいました。

そして、最後にこの一行を入れました。「ご記入いただいた内容は、選択も記述もすべて、2日目にそのまま本人にお見せします。人事評価には一切使いません」。

この一行で、何が変わるか

この一行がないと、上司は「講師への報告」として書きます。無難な点数、当たり障りのない言葉。この一行があると、上司は「本人への手紙」として書きます。言葉が変わります。

2日目、受講者は自分の採点と、上司の採点を並べて見ます。自分は「人材育成はできている」と思っていた。上司は「ここをもっと」と見ていた。このギャップが、本人の中で当事者意識のスイッチになります。私が何を言うより、ずっと強い。

正直に言うと、大変だったこと

大変だったのは、設問の言葉です。最初に私が作った版は、ご担当の方に2回、ダメ出しをいただきました。「管理する人、では上司はピンとこない」「4つの役割の説明は、質問の前に独立して置いた方がいい」。そのとおりでした。研修の中で使っている言葉を、研修を受けていない上司にそのまま出しても伝わらない。設計から入る案件は、こういう往復ができるのが一番の強みです。

人材育成ご担当の方へ

「研修の効果を測りましょう」と言うと、身構えられることがあります。数字が出ると、責任の話になるからです。私がやったのは測定ではなく、上司から本人への手紙を1通増やしただけです。それでも、研修の外に、研修の続きが生まれます。

5日間の研修でなくても、1日の研修でも、この手は使えます。最初の打ち合わせで、御社の上司の方がどこまで動けそうかをうかがってから、できる形をご提案します。

研修をご検討の方へ

できること・できないことは、最初の打ち合わせでお伝えします。その中で最善を一緒に作ります。

最初の打ち合わせを申し込む ▶

この記事を書いた人 飯田 ケント
株式会社ワンデイジャパン 代表取締役。企業研修講師。17年、プライム上場企業を中心に年100日以上登壇。論理的思考と課題解決が専門。

講師紹介を見る ▶